「蓬生!」
「…どうしたん。千秋はもうええのん?」
「その千秋から伝言」
「伝言?」
「『蓬生がぐずるから、はよ行け』…だって」
「…いくつやと思うとるん」
呆れ顔で持っていた本を閉じれば、目の前の幼馴染はにこにこ笑顔で答えた。
「今日で19歳!!」
「、指おかしいで」
「しょうがないじゃん…どうやっても19を指で示せないんだから」
人差し指立てている左手はともかく、右手は手を開いたり、指を4本立てたりと大忙しやね。
「遅くなったけど、お誕生日おめでとう、蓬生」
「ありがとう……なぁ、」
「ん?」
「今からあんたの時間…貰てもええやろか」
「あたしの、時間?」
ぴたりと動きを止めた右手を取り、そこに甘えるよう頬を寄せる。
「二人で、遊び行こか」
「…うん!!……で、どこ行くの?」
「あんたもよう知っとるとこ」
「?」
ポケットに入れていたチケットを取り出し、の前に差し出す。
「コスモワールド…」
「前からここ、気にしとったやろ?」
「うん!!ありがとう蓬生!!」
笑顔でチケットを受取った彼女につられるよう、微かに頬が緩む。
礼を言うんは、俺の方や
受取ってくれて…ありがとう
ほな、遊びに行こか…